3時半にベン・メリアを後にして、来た道をシェムリアップに向かって引き返し、途中から南に下ってロリュオス遺跡群へ。ここはアンコールの最古の王都で9世紀の終わりにジャヤヴァルマン二世やインドラヴァルマン一世によって築かれました。
シェムリアップからプノンペンに向かって東西に伸びる国道6号線の南北に分かれて遺跡群があり、国道の北側にロレイ、南にプリア・コーそしてその南にバコンと3つの遺跡が並んでいます。
私たちはまずロレイを訪れました。元々は前日に訪れた東メボンと同じように、貯水池の中央に建てられていたようですが、今は水が枯れて周りは見渡す限りの水田となっていました。年代から見てここが東西メボンの原型だったそうです。
4つの塔(祠堂)からなっていますがどれも上の方は崩れかけていて草木で覆われていました。このままでは完全に崩れ落ちてしまうのも時間の問題ではないでしょうか。
それでも壁面の金剛力士像やデバター(女官)の壁画はきれいに残っていました。
写真の木の葉は、(6)ーベン・メリアで紹介した海苔のような野菜の正体です。この葉を細かく切って炒めたもだそうです。こんな木の葉が食べれるんですね。
寺院の裏手にお坊さんの学校(?)があるらしく、子供たちの読経の声が聞こえていました。
国道を横切って、アンコールの遺跡群の中では最古の寺院であるプリア・コウを訪れました。
聖なる牛と呼ばれるこの寺院は879年にインドラヴァルマン一世によって、祖先のために建立されました。聖なる牛はナンディンと呼ばれシバ神の乗り物でした。
こちらもロレイと同じ位崩壊が進んでいました。しかし幸いなことに祠堂入り口上部のまぐさや壁の壁画は1100年前のものとは思えないほどの保存状態でした。
まぐさの写真は蛇神ナーガを飲みこむ死者の王カーラです。
また壁画の写真は金剛力士像です。
車に戻る途中、子供たちが遊んでいるのを目にしました。学校でここの見学に来たのでしょうか。
最後にプリア・コウの南隣りに建つバコンを訪れました。
バコン寺院は前の2つと様式が異なり、寺院の周りに濠を巡らし、更に周壁で囲われた敷地の上に、ピラミッド型に五層の基壇の上に祠堂群が建てられています。その祠堂群は八つの小型の祠堂の中央に五重の層になった中央祠堂が建てられています。
東門から入ると、濠を渡る橋に巨大なナーガの欄干がありました。このナーガは頭部の大きさと言い、胴の太さと言い今回見た中では最大級でした。
橋を渡って周壁の東塔門から入りました。
東塔門から上を見上げると小窓の中に中央祠堂の頂部が覗けました。
急な階段の前に聖なる牛ナンディンの崩れた像がありました。そう言われなければ牛とは分からない代物でした。
基壇のあちらこちらには象や狛犬が建っていました。特に狛犬は後ろ足が完全に折り畳まれてお尻が地面に着く形でした。
これはもっとも古い形で、アンコール・トムなどの後ろ足が伸びた狛犬は年代が新しいことが分かるそうです。
中央祠堂も五層になっていて基壇の大きさの割には小さ目でスマートに建っています。時間も6時近くとなり西日を浴びて南面が輝いていました。
この中央祠堂でチップをもらって写真を撮らせている女の子がいました。可愛いですね。
急な階段を下りて車へ。
これで今回ガイドのソカーさんに頼んでいたすべての観光が終了しました。
6時を過ぎたので急ぎホテルまで送っていただき3日間のお礼を伝え、チップを差し上げてお別れしました。これ以降は私達の自由行動です。
部屋に入る前にコンサージでお勧めのレストランを予約しました。シャワーを浴びて着替え夕食へ。今回もトゥクトゥクで往復。1人1ドル。今夜の夕食はChenrey Treeと言う創作クメール料理の高級レストランです。最後の夜は豪華な食事となりました。それでも4人で74ドルでした。カメラを忘れたためお見せできないのが残念ですが、雰囲気・サービス・クオリティー共満足できました。
ホテル到着後明日の国立博物館見学の入場券を購入してそれぞれの部屋へ。
明日は博物館を見学したのち空港に向かう予定です。続きは最終章で。
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