2016年8月30日火曜日

スリランカ世界遺産巡りの旅ーその5(キャンディとアーユルヴェーダ)

 2泊したホテル・シーギリヤをチェックアウトし、4日目は午前8時過ぎにホテルを出発。この日の目的地キャンディに向かいました。2日目に寄ったダンブッラの街を通過し、車は南に向かって走ります。
1時間半ほど走るとマータレーという地区に入りました。このあたりは道の両側に多くのスパイス・ガーデンが並んでいました。
我々もその内の1軒に立ち寄りました。

 ここでは日本語を話せる係員が園内を案内してくれます。園内にはシナモン、クローヴ、ナツメグ、アロエヴェラ、ペッパー、ジンジャーやウコン、そのほか名前を覚えきれな色々な香辛料やハーブが育っています。
 これらを見終えると、ハーブティーをごちそうになりながらアーユルヴェーダに使用される様々な薬品やオイルの説明を受けます。最後はオイルを使った簡単なマッサージをしてくれます。


 入園は無料ですが、結局は入り口近くに在る売店で商品を買うことになるので結構高いものになりました。
私たちは、関節痛や腰痛、筋肉痛に効くオイル(写真のようにオイルとクリームがセットになっている)と私の持病の静脈瘤に効くと言うオイルセットを購入しました。両方で13,400ルピー(約10,000円)の出費でした。効くかな???



 このスパイスガーデンから車で10分程のところにあるアルヴィハーラと言う石窟寺院に向かいました。
 紀元前1世紀に建てられたそうで、スリランカで4番目に古い寺院です。因みに前々日に行ったダンブッラの石窟寺院は2番目に古いそうです。
 寺院内は撮影禁止の為、残念ながら写真はありません。特徴的だったのは石窟寺院内のフレスコ画です。極彩色で描かれた地獄絵巻はおどろおどろしく、妻などは直視できないくらい恐ろしいものでした。

 写真の階段上にある赤い屋根の建物は図書館で、昔の経典などが保存されています。入場料は一人250ルピー、4人で1,000ルピーなので約750円位です。この図書館で200ルピー(約150円)ほど寄付するとヤシの製紙の紙パピラに2,000年前の経典と同じ方法で私達の名前を書いていただけました。現在の紙よりはるかに丈夫だそうなので、2,000年後にこの紙を残すにはどこにしまって置けばいいのかなといらない心配をしてしまいました。

 アルヴィハーラからマータレーの中心部を過ぎて、1時間程で、大きな街に入って来ました。
ここがこの日の目的地キャンディです。
 街に入って渋滞の中を30分程走ると、仏陀の犬歯(仏歯)を祀った仏歯寺に到着です。
写真は仏歯寺前から走ってきた道路方面を写したものです。

 ポロンナルワの紹介のところでも触れましたが、スリランカでは仏歯は王権の象徴とされていて、この仏歯があるところが首都とされてきました。
キャンディには1590年に運ばれてきたそうです。(最初は4世紀にインドから王子が髪の中に隠してセイロンに持ち込んだと言われています。その時の都はアヌラーダプラでした。)
キャンディに安置されて以来も、キリスト教徒であるポルトガル人に奪われたり、イギリス人に奪われたりしましたが、何とか難を逃れ今でもここに安置されています。


 仏歯の部屋は1日3回扉が開けられるそうですが、実際の歯は箱の中に入っているので見ることは難しいそうです。写真中央の光が当たっているところがその部屋です。
多くの人が扉が開くのを待っていました。
(仏歯寺の入場料は1,000ルピー約750円です)

 写真の部屋の壁には時計回りで仏歯の歴史が順次紹介されています。

 セイロン土着のシンハラ人は、信仰する神々を祀って1年に1回大きな祭りを行います。これをペラヘラ祭りと言います。
特にキャンディではエハラ月(7月・8月)の新月から満月までの2週間行うので、エハラ・ペラヘラと呼ばれています。祭りの最後の日には華麗な衣装をまとった象の背中の上に仏歯を収めた仏舎利を載せて市内を練り歩きます。
私たちが訪れたのはエハラ月でしたが、ほんの数日早かったようです。

 仏歯寺を後にして、遅いランチを取りに、キャンディ湖を挟んで仏歯寺の対岸の丘の上にあるレストランへ。
このレストランからキャンディの街が一望できました。








 食事を終えて、今夜の宿に向かったのが午後3時でした。
キャンディの街を通り抜け、山道を登ること約50分。途中ガイドも何度も車を停めて道を確かめなければなりませんでした。
こんなところにホテルが有るのかいなと心配し始めたころやっと到着。


 緑に取り囲まれた隠れ家のようなこのホテルは、「Hotel Tree of Life」と呼ばれる、日本にある「生活の木」社が運営している、アーユルヴェーダで有名なホテルで、数々のガイドブックにも紹介されています。

 写真は我々のベッドルーム。ホテルと言うより山荘でした。深い森の中から時々リスが目の前の枝を足早に通り過ぎていきます。
環境はいいのですが、残念ながら部屋はセキュリティボックスが無いなど今一でした。


 アーユルヴェーダとは「生きる知恵」と言う意味だそうです。薬草やハーブを使うインド発祥の伝統医療です。

写真は「るるぶ」より。
ここからは実際に体験した妻に書いてもらいます。

 アーユルヴェーダは治療目的なら最低2週間、リラックス目的でも1週間は必要と言われ、トリートメント、食事療法、薬、ヨガ、瞑想などを組み合わせてておこなわれます。そのため最低3泊からしか受け付けない所もあるようですが、今回私達は治療目的ではなくあくまでも経験してみたいだけだったので1回だけの治療です。

 まずドクターによる診断です。
アーユルヴェーダでは、Vata(風)とPitta(火)とKahpa(水)の3つのドーシャ(体質)があると考えられています。自分がどのドーシャに属するかドクターに診断してもらうのです。
 チェックシートは性格に対するものと体調に対するものの2種類。聴診、脈診、血圧測定などがあり私はPittaタイプと診断されました。

 診断の後は個室でトリートメントです。オイルを使ったヘッドマッサージ、フェイスマッサージ、ボデイマッサージ。シロダーラと言われる温めたオイルを額に垂らすトリートメントはとても気持ちよく途中から眠ってしまいました。  ハーバルスチームバスは一人用のサウナです。蒸したハーブの蒸気で体が気持ち良く温められ、これまた眠ってしまいました。その後ハーブのお風呂につかりリラックス。最後は部屋を移り30分ほど瞑想しました。

 本来のアーユルヴェーダの目的である治療とは少し違うかも知れませんが旅の疲れがすっかり取れとても気持ちの良い時間でした。お値段は2時間15分で約1万円でした。
 妻たちがアーユルヴェーダを受けている間、私はホテル内の散策。
ちょっと残念だったのは、有名なキャンディアンダンスのショウを見られなかったことです。
アーユルヴェーダを組み入れた為、日程的にキャンディの町までショウを見に行くことが不可能でした。
 私達の取ったルートを取るなら、もう1日欲しいところですね。(又はキャンディの街中のホテルに宿泊するかです。)



 部屋は少し残念でしたが、夕食のビュッフェは満足のいくものでした。特にサラダコーナーが充実していました。今まで色々な5つ星や中には7つ星ホテルにも宿泊しましたが、ここのサラダコーナーはその中でも1,2を争うものでした。流石アーユルヴェーダを売り物にしているホテルだけのことはありました。
 でも中国人の団体が滞在していたのには驚きました。なぜこのホテルに宿泊したのかは不明でしたが。



 翌日は最も長い一日となりました。
7時45分にホテルを出てキャンディの街を通り過ぎ南に向かいました。
9時を少し過ぎたあたりから車は坂道を上り始めます。このあたりから、セイロンティーの産地として有名なヌワラ・エリアです。
道路の上下には茶畑が見え始めます。
9時半、写真のティー・ファクトリーに到着です。
 この工場の案内係が工場内を、英語で案内してくれます。
 まず最初に入ったところは茶葉の乾燥室でした。
 この長いトレイの上に1.2トンの茶葉が乗っています。このトレイの下を送風機で風を送り下から茶葉を乾燥させます。1日で約半分の600㎏になるそうです。(数字の記憶は定かではありませんがとにかく半分になるそうです。)
 その後発酵、乾燥、選別等の行程を順次案内してくれました。機械の多くは100年以上前に作られたものだそうです。最新のものは日本製のカラー識別で紅茶の葉の部分と幹の部分を選別する機械でした。
 最後に紅茶の等級を教えてくれました。 OP、BOP, BOPF、BOPF Goldなどです。後になるほど香りも味も濃くなってきます。工場見学の後試飲させてくれます。1杯は無料です。


 その隣が売店となっていて、お土産に紅茶を購入。写真は新芽と一番目の葉を使った高級紅茶です。









 この辺りはマレーシアのキャメロン・ハイランドのように、眼前に茶畑が一面に広がっていると言った風景は少ないようです。山の稜線が畑になっているので、かなり高台に行かないと良い写真を撮ることができないようです。

 ヌワラ・エリアを後にして一路最後の目的地であるスリランカの首都、コロンボに向かいました。
その模様は次の「その6」をお待ちください。

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