2016年8月24日水曜日

スリランカ世界遺産巡りの旅ーその3(シーギリヤ)

 
今回はスリランカ旅行の第3稿目です。
旅行3日目の朝、朝陽に耀くシーギリヤロックがプール越しに頭を覗かせました。この日は午前中にこの岩山の頂上に登り、午後からもう一つの世界遺産のポロンナルワ遺跡群に向かう予定です。

 シーギリヤロックは古代から仏教僧たちの修験場だったとか。
5世紀の後半に腹違いの弟の復讐を恐れた王が、この岩山の頂上に7年かけて宮殿を建て王座を据えたそうです。
しかしこの王の座は長くは続かず、わずか11年後にインドに亡命していたその怖がっていた弟により滅ぼされました。
弟は、私たちが今回訪れなかったもう一つの世界遺産のアヌラーダブラーに王宮を移したため、その後長い間シーギリヤロックは森に埋もれてしまっていました。
19世紀の後半になって、イギリスの植民地化で入って来たイギリス人に発見されました。




 望遠レンズで写した写真でわかるように、頂上は平らになっていて、ここに大きな宮殿が建っていました。

 8時前なのに頂上には既に多くの観光客が見えます。







午前8時にホテルを出て、シーギリヤロックの入り口に。
写真のように、入場券売り場はもう長蛇の列です。
20分近く並んでやっと入場券を購入できました。
1人4、260ルピー約3,200円です。

 往路と復路は違うルートを通るので、帰りに寄れない博物館に先に行きました。
 ここにはシーギリヤロックの発見から今日に至るまでがビデオや写真等で紹介されていました。

この博物館は日本のJIKAの援助を受けて建てられた為か、とても見やすくまとめられていました。
 白黒の写真は、シーギリヤを世界に知らしめたイギリス人の家族がシーギリヤレディーと呼ばれている壁画〈以後フレスコ画)を見るために、素朴なゴンドラのようなものに乗っているところです。怖そうですね。

 その他にも日本人によるフレスコ画の修復等も紹介されていました。


館内にはそのシーギリヤレディーのフレスコ画を模写したコーナーが有ります。

 色んな国の女性が描かれているそうですが、レディーたちのエキゾチックな微笑みと豊満な肉体が印象的です。







 因みにフレスコとは壁画制作の手法の一つで、漆喰壁が乾ききらないうちに顔料を水に溶いて描くもので、漆喰が乾くとともに顔料が定着して堅牢なものになるそうです。フレスコ画とはその手法で描かれた壁画のことです。




 博物館を後にして、いよいよロックに向かいます。水の庭と呼ばれる貯水池の跡やロックの麓の遺跡跡を通過して、ゲートのようになっている岩の間を潜り抜けると、急な階段が現れました。








 ここで下手に疲れた様子を見せると、直ぐに人が寄ってきて、手を貸してくれます。でもこれは当然ただではありません。
差し出された手を振り切って上り始めました。






 見上げるとこれから登って行く通路が見えます。
写真中央付近に赤い壁が見えます。これが後でご説明するミラーウオールと呼ばれている壁の外壁です。

 その赤い壁の上に螺旋階段が有り、その左側に見えている黒く囲われた場所の内側の壁に、先ほど博物館でコピーを見てきたシーギリヤレディーと呼ばれるフレスコ画が有ります。



 このような螺旋階段を上ります。因みにこの階段は上りと下りが分かれているので、すれ違いによる混雑はありません。

 上り切って左に行くとフレスコ画が目に飛び込んできます。残念ながら撮影禁止なので写真はありませんが、博物館のコピーが非常に良く再現されているのが分かりました。





写真はこの螺旋階段からミラーウオールとロックの麓方面を見下ろした一枚です。

下を見下ろすとかなり高度が有って足がすくむ思いがしました。





シーギリヤレディーを流れ作業のように見た後、螺旋階段を下りてミラーウオールへ。
壁の内側は鏡のように磨かれた壁だったようです。反対の岩山の壁にはかつてシーギリヤレディーと同じようなフレスコ画が描かれており、その壁画を写して楽しんだそうです。

 今では落書きだらけです。中には1、000年も前に書かれたものもありました。もっとも、この壁の前にいた係員に言われなければ、どれがその1,000年も前の落書きか分かりませんでしたが。

ミラーウオールを通り過ぎるといよいよ山頂への階段の入り口のある、少し開けたところに出てきます。
写真に写っている動物の足は、ライオンの足と呼ばれています。
 
ライオンはシンハー、岩はギリヤ。2つを合わせてできた言葉がこの岩山の名前のシーギリヤです。この岩山がライオンに似ていたことからそう呼ばれるようになったそうです。




夏休み中と言うこともあって大勢の観光客が、途絶えることなく階段を上っていました。










頂上の中央王宮跡です。ここに木造の宮殿が建っていたそうです。博物館で見た宮殿建築のシミュレーションのビデオでは、かなりの規模の建築だったようです。







 こちらの写真は南王宮から南方を見晴らしたところです。

 高さ200mの頂上は風が吹き抜け、特にこの日は爽やかと言うより、帽子を飛ばされないように気をつけなければならないほどの強風でした。



これは水浴場ですが、この頂上にこれだけ大きなプールを作るにはかなり高度な給水設備が有ったと思われていますが、未だにどのようにして水を引き上げたのか解明されていないそうです。



 この頂上は15,000平米もあり、前述の王宮やプールの他に王妃の部屋や謁見室、踊りを鑑賞する場所なども有ったそうです。

 写真のように360度の景観が楽しめました。

 引き延ばして見ると写真中央に私たちが泊まったホテル・シーギリヤのプールが写っています。



 ここまでにご紹介したスポットの他にも数多くの遺跡が有りました。ゆっくりしていたので車に戻ったら12時を過ぎていました。
午後はもう一つの世界遺産ポロンナルワ遺跡群に行くのですが、それは「その4」でお伝えします。

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