White Pass Summit Rail |
White Pass Summit Rail (ホワイト・パス鉄道)に関するブログは、寒かったとか雨だったとかいうレポートが多く心配していましたが、何と6月10日と言うのに温かく晴天でした。
朝7時過ぎに起床してカーテンを開けると、船は既にスカグウェイ(Skagway)の港に着岸していました。
すぐ横にプリンセス・クルーズのサファイア・プリンセス号が停泊していました。
右に目を転じると、ロイヤル・プリンセス号とセレブリティ・クルーズのエッジ号が停泊していました。4隻で約1万人がここに集まっていることになります。この町の人口は千人にもなりません。何とこの町で出会う10人に9人以上は旅行者と言う事になります。
この日の私たちのツアーは12時半出発なので、その前に町を散策することにしました。
ゆっくり朝食を取り、10時半過ぎに下船。
この時間はまだ寒いし、この後標高1,000m近くまで汽車で上るので最大限の防寒ウエアを着用して下船しました。
町は上の写真の奥の方です。女性陣を美脚に見せるカメラワークで。
スマホを上下さかさまにしてレンズを下にすると、このように足長に写せます。
私達の船は左側の紫色のターミナルに係留されています。オレンジに1隻、赤に2隻います。
この3か所の何処からも横に細い線が上に伸びていますが、これは鉄道です。
この港町はこの日の午後乗る予定のホワイト・パス・サミット鉄道で上る山の上で採れた金を船積みするために造られました。
これらの鉄道はその痕跡です。町の中央を上に伸びた太い道路がメイン・ストリートで500m位に渡りお店が立ち並んでいます。
この写真は後ほど、上のマップの上の方から、港(下方)に向かって写したものです。通りから見える最も大きな建造物はクルーズ船です。
では町に行ってみましょう。私達の乗っている船を後にします。
写真では見えませんが船の右に駅が有ります。おそらくクルーズ船のツアーだと、この駅で乗降すると思われますが、わたし達は町からバスで少し行った郊外から出発する列車に乗りました。
誰だ?線路を歩いているのは?
この線路は廃止された訳ではなく、未だ現役。注意されている人もいました。
町の中央です。
左端のRED ONION SALONはゴールドラッシュ時の娼館だそうです。
今はバー&レストランとして営業しています。
ウェイトレスはその当時を思わせる衣装でサービスしています。
時間によっては館内のツアーも有ります。
この他にも興味をそそられる幾つかの建物が有りました。
自分たちが乗りこむ列車かな?と期待が高まってきます。
集合場所がなかなか見つからず、ヤキモキしましたが何とか間に合い、バスで乗車場へ向かいました。
この町には公的機関は一つずつしかないそうです。学校、病院、郵便局、銀行、警察署、消防署等々。
一歩中心部を外れると閑静な住宅地です。
ドライバーがチケットを取りに行ってくれました。
彼は私たちの為に最後尾車を取ってくれました。
このグループ20名ほどで1車両貸し切りです。
最後尾にはオープンエリアが有るので列車が曲がるたびに列車全体を見ることが出来ます。どの客車も最前列にはストーブが有って温かそうでしたが、わたし達は1番後ろの席を確保しました。
結果的には好天に恵まれたので、暖房は必要ありませんでした。
列車内部はこんな感じです。12時55分発車。
5分程でスカグウェイの車両基地を通過しました。
ここでこの鉄道ツアーの全行程を左の地図でご紹介します。
最下部のスカグウェイの町を出発し、渓谷に沿って上って行きます。
28,4マイル地点が2,888ftつまり880mのWhite Pass, ホワイト・パス(峠)が、米国アラスカとカナダのブリティッシュ・コロンビア間の国境となっています。
そこから更に北上しブリティッシュ・コロンビア州のフレーザー(Fraser)迄行きます。
帰りはバスになるので、チャンスを逃すと二度と見えないことになります。
大きく曲がっているところがシャッターチャンスです。最後尾から先頭の気動車迄見渡せます。
最初の内は林間コースで、周りが樹々で見えたり隠れたりしました。
ここは5.8マイルポイントのDenverで、支流を渡ります。
写真の場所ではスカグウェイの町と私たちのクルーズ船を遠望することが出来ました。
列車はこの時点では東に向かっていますが数キロメートル先で大きく左に曲がり、西に向かってこの木製の橋を目指します。
と言う事は、と思っていたら案の定下りの列車とのすれ違い場所でした。
駅舎は有りません。
ゆっくり広範囲で写真が撮れます。
列車の写真を撮ているのかと思ったらスケートボードを調整していたようです。
ここで下車したお客でしょうが、ここから滑るためにどこまで歩いて行くのでしょうか。
対岸には急峻な峰峰が見えてきました。
Sawtooth (のこぎりの歯)山脈です。
私が写真を撮っている列車の下は鉄板で補強されていますが、通過するまで不安でした。
使用されている木材はかなり新しいのですが、わたしの不安を打ち消すことには余り役立たなさそうでした。
スカグウェイを出発して丁度1時間くらいでした。
この辺りはInspiration Pointです。
こちらは前出のSawtooth山脈です。
この山々と下の写真の様なスカグウェイ港を見て、昔の人はInspiration(感銘やひらめき)を得たのでしょう。
ここからスカグウェイ港が望めます。この鉄道はゴールドラッシュ時の鉱石の輸送の為に造られたのですが、ゴールドラッシュ後一時廃線となりました。1988年に再開されたのですが、大きな理由はクルーズ船などによる観光客の増大に伴う一大観光資源として再開されたそうです。今でも毎日1万人近い人が訪れています。
左手に崩れてしまったCantilever橋が見えてきました。18.6マイル地点です。写真の先頭車の前にトンネルが有ります。
右側も左側も急峻な崖になっています。
今までの上りが噓のように平坦な地形が連なっています。
ホワイト・パス、つまり白い峠です。
常に雪に覆われているのでしょうね。
遠くの残雪を頂く山々と湖の氷の白、空と湖面の紺碧、山肌の緑と目が洗われる景色が続きます。
私的には今回の旅行中屈指の景観でした。
30年ほど前、バンフの近くの大陸分水嶺(The Great Divide)に行ったときに、子供たちが水の未来を変えると太平洋に流れる川の水を、大西洋に流れる川に移し替えていたことを思い出しました。ここは源流が離れているので無理ですが。
この先の景観をもう少しご紹介します。Lake Barnard (バーナード湖)です。
終点のFraser (フレイザー)に到着です。先ず車内でパスポートのチェックが有ります。それが終了したのち下車しました。
約2時間の旅でした。
その前にトイレ休憩。車内にトイレは有ったのですが、用を足さなかった人たちでトイレは満員状態でした。
列車のように動き回ることはできないので、単なるドライブと言う感じ。
車窓をかなりの勢いで山々が流れて行きます。
運が良ければこのような動物を見かけることも有るそうです。
降りて見るほどでは無かったかも。
ユーコンのナンバープレートには工夫が金を持っている絵が描かれています。
列車では右下から左に山肌を上って行きました。
奥の方へ進み大きなU字コーナーを回って谷の反対側に出ます。
左の山肌の禿げた所の先が木製の架台です。
本当にのこぎりの歯ですね。
列車から見えていた青い屋根の建物です。
乗客は乗って待つだけです。
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