2015年3月15日日曜日

スタークルーズでタイに行って来ました―3日目


午前1時に出港した船は、私たちが目覚めた7時半には既にクラビに近づいていました。東の海上に点在する切り立った丘陵を持つ島影の向こうから朝日が昇り始めていました。クルージングの魅力の一つは、複数の観光地に移動する際荷造りの必要性が無いと言うことです。船に着いたらスーツケースを開けて衣類をクロゼットに仕舞ったら最終日までそのままでいいことです。人も長い移動をバスや汽車でする必要なく、毎晩寝ている間に次の目的地まで運んでくれます。

今朝の朝食もウェスタンスタイルのレストランです。マレー料理主体でポークを使わないインターナショナルブッフェはお祈りの後のイスラムの方たちで一杯だし、中華のレストランはコーヒーがないので、コーヒーがないと朝が始まらない私は必然的にこちらになります。ところがこのコーヒー、毎回飲むたびに味が変わります。日替わりと言うのではなく、1杯目のコーヒーは砂糖無しと喜んでいたら、2杯目は砂糖が入っていて甘い。テーブルには砂糖とミルクが置いてあるのだから、ポットに入っているコーヒーはブラックにしておいて欲しいものです。確かにマレーシアでブラックコーヒーを飲もうと思うとかなり苦労します。しかし多国籍の乗客を乗せるクルーザー内はブラックにしておいて欲しいと思うのは私だけでしょうか。

余談で行を使ってしまいました。朝食後9時半過ぎに集合しクラビに渡るための高速艇に乗り移りました。外に出て分かったのですが、船が停泊しているのは昨日のプーケット沖と違いかなり沖の方でした。近くにクラビの有名な島の一つ、鳥の頭に似た奇岩を持つチキン島が見えました。ここから30分程高速艇で走ってやっと、クラビの新しくできたフェリーターミナルに到着です。

マングローブの森の中から突き出したこのターミナルにはピピ島行きの船が止まっていて多くの若い欧米人が乗り込んでいました。きっとダイビングに行くのでしょう。今回は島巡りはしないので透明度の高い澄んだ海を見ることはありませんでした。プーケットにしてもクラビにしても、ビーチは陸地の泥が流れ込んでいるので、泳げる範囲での透明度はあまり良くありません。


今日のツアーのガイドさんは、またまた大柄でがっしりした体育会系のタイ女性です。名前は聞き漏らしてしまいました。クラビはここ10年で開発されつつある新しいリゾート地です。それまではバックパッカーの天国だったと言うことでした。プーケットの5倍ほどの面積を持つ土地に1/3ほどの20万人強の人々が住んでいてイスラム教が60%で残りが仏教徒だそうです。バンコックまでは1000kmあるがマレーシアまでは500km位だそうです。

最初に訪れたのはクラビのシンボルのツインピークが望める川沿いの広場です。この地域のいたるところにある標高100mほどの山々は石灰岩層独特の様相をしています。例えれば中国の桂林の風景を少し若くして荒々しくした感じです。またこの広場にはクラビの名物マッドクラブの銅像も建っていました。ここで記念写真
を撮ったりアイスクリームを食べたりしました。

15分程過ごした後、次の白いお寺(白廟)へ。丘の上のこの寺院に行く途中の交差点に巨大な猿の像が建っていました。これは猿ではなく、ここで発見されたホモサピエンスを記念して建てられたそうです。



白廟は美しく眺めも良いのですが、新しく見えるためか厳かさに欠けているように思えました。




しかしこのお寺は王族の所有で、この丘全体のみならず麓の街まですべてこのお寺が所有していて、賃貸しているそうです。一体幾らの収入があるんでしょうね。20分程いてこの寺院を後にしました。



12時を過ぎたのでここから5分程のところの住宅街の奥まった
ところにあるレストランへ。

看板も出ていないので、こうしたイスラム教徒主体の観光客のためのレストランなのでしょう。8人テーブルなので私とIさんは他のマレーシアの方々とシェアしました。2組の家族で一組は元トヨタに勤務されていた男性とその新婚の奥さんでした。もう一方は5月に北海道に行かれると言う老夫婦とその娘さんでした。食事はマレー料理とタイ料理を足して2で割ったような料理でしたが、結構おいしく頂けました。Iさんのリードのお蔭で北海道の話などしながらの和気あいあいの食事でした。

食後このレストランの横の棟にあるトイレに行ったら、その新郎さんが興奮して「このトイレはマレーシアの映画に使われたトイレです。」と教えてくれました。写真を撮りまくった後バスに戻った彼が慌ててトイレに戻ってきました。なんと奥さんを忘れたそうです。さてこの後2人はどうなったのでしょうか。私達のグループにもお一方トイレのフックにバッグを忘れかけていた方がいらっしゃいましたが、奥さんを忘れるなんてね。

1時にレストランを出発して15分くらい走ったところにある巨大鯰の養殖所に。ここは現地のお金持ちの男性と結婚されたアメリカ人の女性が趣味で運営しているそうです。ジャングルをそのまま利用して、ところどころの池にナマズやそのほかの淡水魚を養殖しています。




ここの目玉は体重80kgを超す2m近いアロワナ。その泳ぐ姿は迫力ありました。






しかしこの魚より皆を喜ばせたのはそこで飼っている色々な動物です。

亀やワニは見ていても面白くありませんが、主役は黒豚、そして2匹のやぎに1匹の猿です。特にイスラム教の人たちとって豚は触れてはならないものなのに、その豚が近づいて来るものですから大変です。狭いジャングルの中の狭い道ですから逃げようもなく、もと来た道を一目散で引き返す始末。その次がヤギ君たちです。人にじゃれ付いて来るので小さい子は泣き出していました。また猿は私のカメラのベルトにぶら下がりブランコを楽しむし。その猿に餌を取られてしまったもう1頭のヤギ(羊?)は灰皿の煙草を食べて主人にしかられていました。

この動物以上に興味があったのは、ここの主人の娘たちです。10歳と8歳のこの娘たちは、学校にも行かず、母親が教育しているそうです。いつも裸足で歩いていて、まるで森の妖精のようでした。


裸足と言えば途中ですれ違った、すり切れた衣服をまとい、髭ぼうぼうで裸足で歩いていたみすぼらしい男性が、なんとご主人だったとのこと。ホームレスかと思っていたのに、ビックリでした。

最後に向かったのはクラビを代表するアオナンビーチです。プーケットのパトンビーチのようなものですが、規模も賑やかさも比べものになりません。ビーチの砂浜は遠浅でないのか幅が5mほどしかなく、泳ぐ客も殆ど見当たりません。もっとも我々が立ち寄ったところはビーチの北の端で遊泳禁止の場所でしたが。



泳ぐ気満々だったIさんも諦めて、全員でマッサージに。写真の路地にあるマッサージ店へ。

1時間250バーツを10人団体割引?で200バーツに。チップは払う人払わない人いましたが、私はいつものように50バーツ。

3時40分頃出発しフェリーターミナルへ。30分で到着。写真はターミナルから北を写したものです。遠くに見える尖った山の左側が先ほどまでいたアオナンビーチになります。

昨日とは違い今日は40分も予定より早い。その為、600人の団体の前に高速艇に乗ることができ5時に船に帰りました。7時からのパーティーに余裕を持って準備できると喜んでいたら、なんと部屋が臭い。強烈な臭気でこれでは部屋に入れません。ハウスキープの係員を呼んで消臭してもらったけど、そんなのは一時的な処置で、空調から入ってきている元を何とかしなくては寝ることもできません。私達日本人グループで5部屋使っているのですがこの異臭は私と隣のFさんの部屋だけ。結局日本人担当のハンさんを呼んで部屋を変更してもらうことに。

写真の風景は消臭時に6階のデッキからクラビの海岸線を写したものです。海からしか行けないライレイ&プラナンビーチです。
私達が立ち寄ったアオナンビーチはこの左手になります。

私とFさんで部屋の変更の手続きをしている間にご夫人は荷物をまとめ、手続きが終わると同時に新しい部屋へ。今度の部屋は今までの部屋と丁度船の対角線上にある船首左舷の部屋で、エンジン音も聞こえず静かな部屋でした。但し机の引き出しが壊れていて何度も落としてしまいました。

この引っ越し騒ぎで1時間以上もかかってしまい、慌ててシャワーを浴びてスマートカジュアルに着替えて、既に始まっているパーティー会場へ。カクテルを飲みながらショーを楽しんだ後、ディナーパーティーの会場に移動。

私たちは全員それなりの格好はしていましたが、かなりのお客はラフな格好でした。これではアジア人のクルーズでのマナーの悪さを指摘されるわけですね。もっともこの値段のクルーズですから、すべてカジュアルとしてくれれば、荷物も少なくてすんだのに。


前菜は3種から、スープは2種、メインは4種から選びます。デザートは1種だけでした。私はカモのロースト(写真)、マッシュルームスープ、そしてラムのグリル(写真)でした。
食事の途中スタッフによるダンスで盛り上がりました。

食後はショーを見ながら残っていた最後のワインを開けて飲みほしました。その後カジノの奥にあるラウンジでライブ演奏を楽しんだ後、ディスコへ行くと言う他の皆さんと別れ私達夫婦はカジノへ。メンバーカードにチャージし、スロットマシンにトライ。10分くらいで少し浮いたので止めて現金化。他の皆さんを追っかけてディスコへ。皆さん、何十年かぶりのディスコとあって大盛り上がり。おまけに私達日本人だけの貸切だったので、心行くまで踊り狂いました。

暑くなったのでプールサイドへ最後のショーを見に行きました。時刻は既に11時半を回っていました。カジノで買ったお金でビールを買い、このクールジングの最後の夜に乾杯。
12時過ぎまでここでも踊ってお開きに。
眠りについたのは1時を回っていました。



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