2024年12月5日木曜日

ネパール 世界遺産を巡る旅 最終回 キプティクル

 

キプティクルのウマ・マヘショワール寺院

この日はカトマンズ滞在の最終日。

フライトは20:55と夜遅いので、前々日急遽ガイドのキランさんにお願いしてパタンの南のキプティクルと言う町の半日ツアーをすることに。

写真はホテルの朝食。


この日もヒマラヤは望めず。残念!

午前中は部屋でまったりし、11時ごろホテルをチェックアウト。荷物を預かってもらい、12時にキランさんと待ち合わせ。



実はこの日はダサインのお祭りの大事な日。キランさんも予定が有ったのだが、午後だけ時間を取っていただいた。

運転手のシバさんは昨夜からルンビニよりもっと西の故郷に帰ったらしい。またあの大渋滞のチトワンールンビニを通るはずなので同情する。

ホテルもしっかりダサインの飾りつけ。

12時過ぎにホテルを出発しキプティクルに向かいました。

キプティクルはパタンの西南に位置し、丘を中心に町が広がっています。

丘を登り切ったところで下車。この写真のこちら側に入域料の支払いカウンターが有るが、不在。帰りに払うことにして出発。

レトロな街並みにダルマサーラと言われる休息所。

このダルマサールは町の至る所に建っています。




丘の上の狭い敷地に詰め込むように民家が建てられている。

電話線が空を覆っていた。




各家の門には必ずこのような飾り付けが。

これもトーラナ?

真ん中の絵は馬(牛?)糞で貼り付けられています。草とコインが絵の上部に、同様に貼り付けられています。



この様な表札が各家にはられていて、名前とカーストが分かるようになっているらしい。



狭い路地を暫く歩くと広場に出て来た。

広場に建つ像。どなたのか聞きそびれてしまった。おそらくこの地が王国だった時の王様か?






貯水池、デヴ・ポカリ。その向こうに旧王宮跡と言われる建物が。

キプティクルは一時パタンから独立して小王国を築いて繁栄したことも有ったそうですがシャハ王朝に敗れてしまいました。

右奥の方に見えるのがバグ・バイラヴ寺院。こちらは後で行きます。
典型的なネワール様式で建てられた、旧王宮跡。

1階は倉庫、2階は飾り窓で開かない部屋、おそらく寝室?3階は窓が開くリビング、4階はキッチン等。煙を屋根から抜くために4階にキッチンが有るそうです。



先ほど触れたバグ・バイラヴ寺院に向かいました。

バグ・バイラヴ寺院の門を通して、カトマンズの街とスワヤンブナートの白い仏塔が遠望できます。







バグ・バイラヴ寺院の本殿。

ここがほぼキプティクルの街の中心です。

屋根の頂の有るのが、ガジュールと言って神様が降り立つための目印。

そこから垂れる帯状の飾りは、ドバジャと言って神様の降り立つ道筋となっている。



軒下に多数の刀が吊り下げられている。

シャハ王朝と戦って敗れたキプティクル軍の武器だそうです。


本殿の入り口には多数の鈴を吊ってありました。

この日の朝の祭りで汚れた本殿前を掃除していました。




生贄の首がたくさん。アップにすると気持ちが悪いので、このまま見てください。

本殿の裏には今朝捧げたであろう生贄を引きづった跡が、生々しく残っていました。




本殿の立派なトゥンダール。屋根を支える方杖です。

他の寺院と同様に、神の像やセクシャルな彫刻が施されています。




本殿裏手の大きなベルの前で戯れる子供たち。この2週間ほど、学校はダサイン休みです。





ベルの向こうには、カトマンズ市街が広がっています。

天候が良ければ、見えている山の向こうに白いヒマラヤの山々が見えます。




黄金の牛が向いているのがシヴァ神を祀った祠です。





写真の奥に写っている住宅の屋上から、この寺院で演技をしていた阿部寛などを撮影したそうです。
2016年3月に公開された、「エヴェレスト 神々の山嶺」です。

阿部寛の他、岡田准一や尾野真千子なども来たそうです。因みにキランさんは通訳として同行しました。

ネパール数字とネワール数字の比較です。

白くて小さく書かれたのがネパール数字、青くて大きく書かれたのがネワール数字です。

上から1,2,3,4,5,6,7です。

当然文字も大きく違います。






通りの角にあったダルマサールでしばし涼を取りました。

これから写真奥の丘の上に建つ寺院へ向かいます。





休憩を終えて丘に向かう途中、4人の子供たちが付きまとい始めました。

どうやらお祭りのお祝いをねだっているようです。

ルンビニのインド人の物乞いとは違い、お願いの仕方がうまい。ついつい笑顔になってしまいます。

結局妻はこの子達に負けてしまい、お菓子を買ってあげることに。

小さい子はもっと欲しがっていましたが、年上の子たちが一生懸命諭していました。

決して私たちに嫌な思いをさせない、行儀の良さと頭の良さに感心しました。


階段の上に、最初に紹介したウマ・マヘショワール寺院
が見えてきました。












象が敵の兵士を踏みつけてるところ?こんな構図の寺院の守りを見たことが有りませんでした。

この象の像の謂れは聞きそびれてしまいました。




こちらのトゥンダールも立派でした。

更にエロチックになった彫り物は性教育の為だけではないと思います。では何のため?

この寺院の広場で、来年日本へ留学すると言う若者が、日本語で話しかけてきました。
キランさんが色々アドヴァイスしてあげていました。


日本には、このような学生や出稼ぎ労働者等含めて約20万人のネパール人がいます。
只このところ、日本の魅力が少なくなっていて、他の国への希望が増えているそうです。

この寺院からの眺めも最高でした。
ヒマラヤを展望できるベスト・ポイントのひとつですね。


丘の頂上なので360度の景観が楽しめます。

こちらは南側です。

奥の方の山はハイキングコースになっているそうで、キランさんはパタンの家から自転車で麓迄行ってそこから登山をするそうです。



寺院は丘の西北の先端に位置するのですが、そこから東南方向を見ると、奥の方に白い建物の上に金色の屋根を持つタイ寺院が見えます。

時間が有ればそちらにも回る予定でしたが、残念ながら中止となりました。



13時半を過ぎたのでランチに向かいました。

来た時と違う路地を通って丘を下りました。







ここにもダルマサールが。

通常女性と男性は別のダルマサールを利用するらしいのですが、ここではその区別はないようです。

日陰で涼しそうでした。



キプティクルで有名なレストラン、ネワ・ラハナにつきました。

筵が引かれた床の上に。座布団が置いてあるだけのホールです。

展望は最高。



どぶろくを注いでもらいました。

パタンの回でも紹介しましたが、少しサワーで飲みやすいお酒です。



妻は飲めないので、形だけの乾杯。









キランさんには感謝の言葉しかありません。

マウンテンフライト、カトマンズの世界遺産巡り、ナガルコットでのミニトレッキング、世界遺産のチャングナラヤンとバクタプル見学、チャンドラギリ、パタン、そしてこのキプティクルの観光。内容の濃いガイドやなじみのお店やコミュニティの紹介等。

ネパールの旅が充実したものとなりました。

こちらがランチと言うより酒の肴?

モモ、豆粉を使ったお好み焼き風料理チャタマリ、水牛の焼肉。






ヨマリ。













丘の中腹の家の屋上で、子供たちが凧あげをしていました。








丘の上から見えた、南側の町並みです。

この場所の高さが感じられます。







鷲(又はトンビ)がこの高さを飛んでいます。









風邪に流される連だこ?









時間を忘れてお酒と料理、お喋りを楽しんだ後、次の目的地に向かいました。

この町の至る所にこのような壁絵が描かれています。

お祭りの様子かな?




こちらもお祭りの様子です。

パタンで見かけた祭事にも、このようなお面をつけた人がいました。






地元の少年とお祭りの壁絵です。









何故か路地にぶら下げられた塵取り。

貯水池の場所に戻りさらに東南へ向かいました。

街角に立つインド式仏塔。











彫刻が素晴らしい。

4方向にそれぞれ本尊が祀られ、それぞれの乗り物が7体ずつ彫られていました。例えば、象やガルーダなど。










その先の丘の上にある、チランチョ・ヴィハールの仏塔です。








ここも大日如来を中心として東西南北に異なった本尊が祀られています。

東:阿閦如来(アシュクニョライ)「動じない」
西:阿弥陀如来 「量ることが出来ない長寿」
南:宝生如来 「富を司る」
北:不空成就如来 「必ず成就する」

因みに大日如来はその体が仏教の真理そのものと考えられています。

写真はその大日如来です。


この寺院の周りの5軒の住宅の中庭には、小さな仏塔が有ってコミュニティの神聖な場所とされています。

階段を降りて参門を出ました。










少し先に大きな菩提樹が有りました。










中には仏様が祀られています。









街角で見かけた女性。

重い荷物を頭で支える、ネパール独特の担ぎ方。






元の場所に帰ってきました。

入域料カウンターにはまだ係員はいませんでした。ダサイン中は無料?

東南向きのレストラン。4時前なのでお客は1組のみ。
でも素敵な空間です。

これで今回のツアーは全て完了。
ホテル着後、キランさんに別れを告げ、わたしはプール用のチェンジング・ルームで着替え、ホテルに5時で頼んでおいたタクシーで空港へ。

さすがお祭り中なので道路は空いていて30分で空港に到着。

20:55発のフライトまでかなり待ちました。
チェックインした時はかなり空いていましたが、この時間帯にフライトが集中しているのか20時過ぎにはかなり混んできました。







ロビーに一軒だけあるカフェ。

イートインコーナーは有りませんが、食べ物はまずまず揃っていました。

私達はサンドイッチで夕食を済ませました。

フライトは結局1時間半遅れ、22:20に離陸。5時半にKL着。30分で頼んでおいたタクシーに乗り、無事6時半前に帰宅。

期間を通して天候には恵まれ、ほぼ予定通りの旅程をこなすことが出来ました。

良かったのはガイドとドライバーに恵まれたこと、それぞれの目的地が予想以上に素晴らしかったこと、安全だったこと、円安をそれほど感じずに生活が出来たこと等々。

逆に残念だったのは、訪問が1~2ヶ月早くヒマラヤの山々をそれぞれの展望地から見ることが出来なかったこと、カトマンズーチトワン、チトワンールンビニの道路事情が酷く、無駄に移動時間を使ったことぐらいでした。

機会が有れば11月末から12月にかけてもう一度カトマンズとポカラには行きたいと思います。

以上、長い長いレポートにお付き合い頂きありがとうございました。










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