ボロブドゥール遺跡からジョグジャカルタに戻って来た翌日、400,000ルピー(3,400円)で1日チャーターしたタクシーで、もう一つの世界遺産のプランバナン遺跡(Prambanan)とその周辺の観光に行きました。
朝6時半にジョグジャカルタでの宿泊先のメリア・プロサニホテル(Melia Purosani Hotel)を出発。
30分程で最初の目的地サリ(Sari)寺院に到着です。サリとは精髄の事だそうです。
この寺院はプランバナンに向かう幹線道路から、少し北(プランバナン方面に向かって左手)に入ったところにありました。
周りの窓には写真の様な菩薩像のレリーフが飾られています。
7時からの開門なので、私達が最初の客でした。10分程の滞在でしたが、他に誰も来ることはありませんでした。
因みに入場料は10,000ルピー(85円)でした。今回感じたのですが、入場料(場所によってはお布施)はこの2~3年でかなり上がっているようで、ガイドブックとかなりの差が出来ていました。
次にタクシーのドライバーが連れて行ってくれたのは小さな売店の様な所。なんとここが外国人旅行者の入場券販売所らしい。一昨日のボロブドゥール遺跡で失敗したので、今回はUSドルで入場券を買いました。
プランバナンの入場料は25ドル。また遺跡を見下ろすことが出来る、旧王朝が在ったとされるボコの丘の入場料も25ドルでした。
因みに現地通貨では325,000ルピーです。
7時半にプランバナン史跡公園に到着です。ここは6時から入園可能ですが、私達の前には一組いただけで、殆ど貸し切り状態でした。
入園後早速メインのロロ・ジョグラン寺院に向かいました。広場を突っ切り左に曲がると目の前にその雄大な姿が見えてきます。
前方に誰もいませんし、暑さもそれほどではありません。東から入るので写真が逆光にもなりません。朝一に来て正解でした。
更に前方に進むと、ロロ・ジョグランがその全容を現してきます。ここはヒンズー教の寺院で、856年に建てられたそうです。
中央の後ろ側の一番高いのが主堂でシバ神を祀った神殿です。左側にブラフマ神殿、右側にヴィシュヌ神殿を従えています。
3つそれぞれの神殿がその乗り物とされる動物の神殿と対になっています。。この写真はシバ神殿(左)とその乗り物の牡牛・ナンディの神殿(右)です。
上で説明したようにシバは牡牛のナンディ、ブラフマは白鳥のハンザ、そしてヴィシュヌはガルーダです。ガルーダはインドネシアを代表する航空会社の名前になっていますね。それぞれの神に関しては以前のアンコールワットのブログでもご紹介しました。
写真はナンディです。動物が残っているのはこのナンディだけでした。
主堂のシバ神殿には4つの部屋があり東向きにシバ、南に導師アガスティア、西に象の頭を持つ息子のガネーシャ、そして北には妻である女神のドゥルガが祀られています。
写真はシバ神です。
こちらは妻のドゥルガです。胸が真っ黒に光るほど触られまくっています。触れているのは、男性でしょうか女性でしょうか。
小さい方の写真は息子のガネーシャです。
これらの神殿の石像も見事ですが側壁や階段のレリーフや飾りも大変見ごたえがあります。
特にシバ神殿の外壁に描かれた古代インド叙事詩の「ラーマナヤ」のレリーフは壮観です。
写真は多分ラーマ王子(ヴィシュヌ神の化身とされている)が、シンタ姫を助けるため悪人のラーヴァナ王(ラフアナとも読まれる)を弓で倒したところと思います。この辺りはラーマナヤ舞踊を見ればかなり分かってきます。私たちは後でこの舞踊を見ましたが、できれば先に見た方がレリーフを見るにも興味がわくと思いました。
これらのストーリ性を持つレリーフの他にも、それぞれの神殿の基盤の側面などにも興味深いレリーフがあります。こちらは中央に獅子とその両側に半人半鳥が刻まれています。
小さい方は猿たちが滑稽に描かれています。
中にはレスリングの様な技をかけているレリーフもありました。
こちらは3つの顔を持つブラフマ神です。
また右はヴィシュヌ神です。
1時間ほどの滞在でロロ・ジョグラン寺院を後にしました。
出口は北側です。写真は北側から寺院の全景を写したものです。
出口を出て右折し100m程行ったところに、レンタサイクルの店があります。園内は広いので、有料の観覧バスか自転車で回った方が楽そうです。私たちは2人乗り自転車(タンデム)を借りました。20,000ルピー(170円)です。
自転車通路の指示標に従い北上しました。途中のルンブン寺院跡の前で写真を1枚取った後この園内の最北にあるセウ寺院に向かいました。
ここはこの後向かうボコの丘の宮殿にいた王の息子がプランバナン王の娘ロロ・ジョグラン(細身の処女)に一目ぼれし、千の寺院を一晩で作ることになり、999の寺院を作ったところで、王の息子と結婚したくなかったロロ・ジョグランが夜明けを告げる鶏を鳴かせ、求婚を断ったなどの説がある寺院群です。
写真は北側から眺めたセウ寺院です。
この寺院はロロ・ジョグラン寺院と異なり仏教色の強い寺院です。双方の宗教が共存していたことが良くわかります。本殿の周りには240もの小祠堂(ペルワラ)があったそうですが、ほとんどが崩壊していて、現在も修復中です。
写真は殆ど修復の終了したペルワラのひとつです。階段の横に通し番号を記した看板があります。拡大すると22と言う番号が振られていました。
小さい方の写真は私達の乗ったタンデムです。
久々に青春した、かな?。
こちらが正面(東門)から眺めたセウ寺院の全景です。
手前で対になっているのは守護神クベラです。
ここから南に向かって自転車をこぎ、1時間弱でレンタサイクル・ショップに帰ってきました。
このショップに向かって右隣に入場無料の博物館があり、遺跡の出土品のレプリカ等が展示されています。オーディオビジュアルの上映もありプランバナンの歴史、修復の過程が良くわかります。暑い体を冷やすには丁度良い休憩となりました。
写真は室内の展示品。このような部屋が何部屋かあります。
こちらは屋外の展示品です。
ところがここでも大失敗。公園の出口近くまで戻ってカメラが無いのに気が付きました。さてはハノイでの失敗の再現か!?。考えると映画を観た時に座席に忘れたようです。慌てて引き返しました。幸運なことに私達の後は誰も入っていなかったようで、しっかり私の座った席に在りました。折角引いた汗がまたもや噴き出してしまいました。今度のは冷や汗???
入園して3時間後の10時半近くに、プランバナンを後にして、次の目的地のプラオサン寺院に向かいました。
この寺院はロロ・ジョグラン寺院の東北に10分程の位置に建つ仏教寺院です。ロロ・ジョグランと同時期に建てられたそうです。南北2つに分かれていて、それぞれの周りを多数のペルワラとストーバが囲んでいます。但しその多くは崩壊しており修復を待っています。
入場料(お布施)は1人6,000ルピー(50円)だったように記憶していますが、定かではありません。
写真は入り口に近い南の寺院で、補修状態が良く、殆どの観光客はこちらだけを観ます。
本堂内には写真の様な石仏が安置されていますが、何故か中央のご本尊がありませんでした。
私達は時間に束縛されていないので、北の寺院もゆっくり見て回りました。
こちらは北の寺院の更に北側から南北2棟の寺院と周りを囲んだペルワラ(小祠堂)を望んだ写真です。
側壁に多くの天人像が描かれていますが、妻がギリシャ彫刻にもいそうな天人像を見つけました。流石女性はイケメンを見つけるのが早い???
30分程見学した後、今日のもう一つの主目的地、ボコの丘に向かいました。
この丘はプランバナンの南側にあり、ロロ・ジョグランとその奥にムラビ山が望めます。
展望台から見ると下の写真のような風景が広がっています。右上部にムラビ山の山裾がうっすらと望めています。
またこの丘は夕陽が有名で、多くのツアーはこの丘で夕陽を見て、プランバナン史跡公園内にあるラーマナヤ劇場で舞踊を見る旅程が組まれています。この日は夕陽は拝めそうになかったので諦め、日中の観光となりました。
写真はポスターですが、このような夕陽が見られるそうです。
展望台で風景を眺めながらウエルカムドリンク(と言ってもペットボトルのジュースかスポーツドリンクの様なものしかありませんが)を頂いてから、丘の上の遺跡群を見て回りました。
上の夕陽の写真の門を反対側から見たのがこの写真です。
良かったのはここまで。
この丘の上には広大な王宮があったらしいのですが、1時間以上歩いても、写真の様な城壁や、何に使われたか不明とされる建物の基盤などが、点在しているだけで、建物も石像すらも残っていません。
時間は12時過ぎ。ただただ暑い中で汗をかいただけでした。
これで25ドルはありえない!!!
時間とお金と体力の無駄遣いでした。
午後1時に出発。今日の最後の目的地のカラサン寺院へ。
朝寄ったサリ寺院の近くに在るのですが、入り口を見つけるのも難しいような小さな道を入ったところに、ひっそりと建つ寺院でした。
778年に仏教寺院として建てられ、その後ヒンズー的な装飾が加えられた、学術的には貴重な寺院だそうです。私達はもう疲れ切っていたので細部を見ることなく写真だけ取って、寺院を後にしました。
これでプランバナンの史跡巡りは終わりです。この後ルワック・コーヒーを買いに行ったり、鉄道駅で翌日のソロ往復の切符を買ったりするのですが、これは後程のJogja編でお伝えします。
次回はソロ( 「ブンガワン・ソロの歌」~~年寄りしか知らないかな?で有名な古都 )とその近郊巡りをお届けします。
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