2017年6月12日月曜日

ジャワ島の世界遺産を訪ねて その1 - ボロブドゥール遺跡

5月の最終週に時間が出来たので、夫婦でインドネシア、ジャワ島中部にある世界遺産巡りをして来ました。年金生活者なのだから時間なんていつでも余裕があるんじゃないのって言われそうですが、これでも結構忙しいものなんです。このブログも10日後にやっと取り掛かりました。冗談はさておき、今回の旅はクアラルンプール(KL)からジョグジャカルタへ飛び、ここをベースに世界遺産のボロブドゥール遺跡、プランバナン遺跡、古都ソロ及びジャワ原人博物館を巡る行程です。

早速ボロブドゥール遺跡編です。舌を噛みそうな名前ですが英語表記ではBorobudurとなります。

KLからエアアジアで2時間少しで、ジャワ島中部の大都市ジョグジャカルタ(Yoguyakartaと綴ります)に到着。2014年に発刊されたガイドブックにはビザや入国カードが必要となっていましたが、現在はどちらも不要でした。

出口の左側に両替所が有り、US$100がRP1,250,000です。400ドル両替して500万インドネシアルピーです。すごい大金です。(後で調べてみたらあまり良くないレートでした。今日現在だとRP1,300,000は少なくても有るはずです。4~5%位低いようです。尚、これから後の換算レートは円換算し10,000ルピーを85円とします。本来なら82~3円だと思います。)
その隣のタクシーカウンターでタクシーの手配。ここも旅行者目当てなので少し割高ですが客待ちタクシーと料金交渉する気にもなれず、規定料金の300,000ルピー(0を2つ取ってx0.85で2,550円)でボロブドゥールに向かいました。時間は12:45頃でした。

写真は笑顔の素敵な運転手さんです。






 約1時間で予約しておいた、遺跡の入り口近くに在るサラスワティ(Saraswati)ホテルに到着。本当は遺跡公園内にあるマノハラ(Manohara)ホテルに泊まりたかったのですが、AgodaもExpediaも空室なしでした。因みにマノハラホテルはクレジットカード支払いが不可となっているので要注意です。
サラスワティホテルは全部屋数17ですがなかなか趣のある素敵なホテルでした。1泊朝食付きで9,000円弱でした。部屋に入り荷物を片付けると既に2時前。早朝にKLIA2空港で朝食を食べて以来何も食べていないので、何はさておき昼食です。時間が中途半端なので、ホテルで食べることにしました。

ホテルロビーの半分がレストランとなっています。インドネシアと言えばナシゴレンです。マレーシアでも結構食べているのですが、こちらの方が美味しいと感じました。この後何食も食べるのですが、同じような料理でもインドネシアの方がマレーシアより味付けが私達の口には合っているように感じました。調味料や香辛料の違いかな?










 昼食を食べ始めたら、外は大雨に。雷は鳴るし、この後予定していた遺跡見物が危うくなってきました。
 
ところが幸運なことに4時前には雨も上がったので、傘を1本持って遺跡に向かいました。
ホテルから歩いて3分で遺跡公園の正面に着きます。向かって右側の道路脇には、店を開く用意をしている屋台が延々と続いていました。
この正面からチケット売り場まで更に5分程歩きます。











 売り場は左右両側に在りますが、外国人は左側の売り場です。ガイドブックでは190,000ルピーでしたが、我々は325,000ルピー(約2,700円)取られました。翌日プランバナンに行った時分かったのですが、USドルで払うと25ドルでした。

 この外国人専用の入り口から入る時にペットボトル1本の水がもらえるので、先に買って持って行った我々はガッカリでした。保安検査をされてから公園内に入ります。


公園内はとても綺麗に整備されていて、ごみ一つ落ちていません。歩くこと5分ほどで道が大きく右にカーブすると突然目の前に遺跡が見えてきます。









ボロブドゥールは世界最大級の仏教遺跡で、8~9世紀に50年の年月をかけて建てられたそうで、その後1,000年以上も密林の中で火山灰に埋もれていたそうです。

 写真の模型の様な形をしており、実際には高さ34.5m、最下部の基壇の1辺が123mもあります。下部は正方形で6層となっています。上部は円形で3層あります。




 しかしながらこの建造物が何故建てられたのかは、未だ不明らしいです。ボロとはサンスクリット語で僧房でブドゥールとは高く盛り上がった所と言うことで、ボロブドゥールとは「丘の上に建つ僧房」とする説もあるらしいですが定かではありません、そのほかにも寺院、王の墓、曼荼羅などとする諸説があるらしく、謎の多い遺跡です。
 階段の入り口でまたもやバッグの中身の検査をされました。いったい何が持ち込み禁止になってるのかな?
 
階段を上がり切るとようやく遺跡の全貌が見えました。雨上がりの夕方とあって、それほど観光客が多くなくてよかったです。ガイドも雇えるのですが、ゆっくり回りたい私たちは、ガイドブックを片手にそこに紹介されている順に遺跡を見て回りました。

まず最下段を左に回り込んだ東南の角に、この建造物の第1層が補強の為積まれたことを示す元々あった壁が見えている「隠れた基壇」と呼ばれている壁があります。

 左手前が本来の基壇で、その上を右側に見られるようにここ以外は石垣で覆われています。






この壁の最下部を悪因悪果を説いた「醜悪な顔」のレリーフが取り巻いています。またこのレリーフの上部には遺跡に残る唯一の文字が刻まれています。小さい方の写真の左から2人目の頭の上の石板に字が刻まれています。
 








その基壇の上が第一回廊です。写真右の壁に刻まれたレリーフは上下2部となっていて、上部はブッダの生涯が描かれています。下段は釈迦の前世の寓話が描かれています。
また左側の壁にもレリーフが描かれています。

ガイドブックで紹介された内のいくつかを写真に撮ってみました。
東面の階段を上って写真の第一回廊に入ったところから時計回りに第1面、第2面と数えて行きます。


まずこれが、第1面の天界にいるブッダです。
周りでは天人たちが音楽を演奏しています。






次が第28面で、シッタルーダ王子の誕生場面です。中央に摩耶夫人(母)がいて王子が7本の蓮の花(蓮華)の上を歩いています。
この後シッタルーダの成長の場面が続きます。
父親とヤショーダラーを妃として迎える相談をしている有名な場面もありますが、ここでは省きます。


やがてシッタルーダは出家を決意して城を出て行きます。第65面にはシッタルーダが馬に乗り天人たちを従えて旅に出ていく姿が描かれています。この後旅での苦行でやせ細った姿や、その王子にスジャータが乳粥を差し出す場面などが有ります。




王子は、美女に扮した悪魔を追い払い悟りを開いて、ついに仏陀となります。
中央に菩提樹の下で蝕地印を結んでいるブッダが第95面に在ります。



ブッダの伝道が本格的に始まる図が第120面にあり、これが話の最後となります。






第二回廊から第四回廊もそれぞれ大乗仏教に由来した多くの図が描かれいます。中には東海道53次の”53”の由来となった話も描かれています。ここは駆け足で見て回り上部の円壇に向かいました。


右の写真は私達のたどって来た通路と、それを見守るかのように瞑想している石仏です。





上部の円壇には最上部中央の大ストーバ(仏塔)を72基の小ストーバが取り巻いています。このストーバの中にはそれぞれ仏像が1体ずつ安置されています。第一円壇と第二円壇のストーバは菱形の切り窓が開いていて不安定な俗界の人間の心を表し、第三円壇のストーバの正方形の切り窓は安定した賢者の心を表しているとの事。





第一円壇の東部と第二円壇の西部にそれぞれ一基ずつ覆いの取れたストーバが有り、安置された仏像(釈迦牟尼像)がその上半身を現しています。手や脚の組み方が良くわかります。









午後5時過ぎには暗くなり始め、おまけに雨が降って来たので夕焼けは諦めて、遺跡を降りました。

マノハラホテルに行くつもりが、正規の出口(北口)に降りて行ったので、ホテルとほぼ反対の方向に向かってしまいました。翌日分かったのですが、ホテルへは隠れた基壇の前(東南の角)から降りなければなりませんでした。

小さな傘1本の他雨宿りするところもなく、おまけに遠回りしたのでかなり濡れてしまいました。
写真は公園内のこのホテルから、暗闇に浮かぶ遺跡です。翌朝のサンライズツアーもこのホテルから出発します。

ローカルのBingtangビールを飲みながら時間を過ごしたのですが、雨は止む気配が有りません。諦めて少し小降りになった頃を狙って、帰ることにしました。受付で出口を聞いたところ、なんと親切に2人分のビニールポンチョをくれました。暗闇で水たまりに足を入れてしまったりして、ホテルにたどり着いたころには靴がびしょ濡れでした。

夕食を食べ翌朝のサンライズツアーに備えて早目の就寝。

翌朝は4時起き。4時半にホテルを出て集合場所のマノハラホテルへ。既に多くの人々が来ていました。ここでチケットを買ってもいいのですが、私たちは昨日サラスワティホテルで代金を支払いバウチャーを頂いていました。一人450,000ルピー(3,825円)とかなり高額です。


受付を済ませると、ステッカー、懐中電灯そして地図がもらえます。



後は自由行動です。マノハラホテルの裏口から出て、暗い中を東門に向かいます。ここからは昨日通った道です。この日もホテルの受付に入る時、裏口を出る時そして遺跡へ入る時の3ヵ所で保安検査です。
取り敢えず最上段に向かいました。生憎の曇り空なので朝陽は拝めそうにありません。
下を見下ろすと懐中電灯の光が途切れることなく続いていました。





写真はストーバ群のシルエットです。












こちらは東側にある覆いの無いストーバと遠くに望めるムラビ山です。











こちらはストーバ群と近辺の村の明かりとその上にたなびく朝もやのある風景です。



小さい方の写真は朝焼けを待つ大勢の観光客です。






徐々に明るくなってきましたが、生憎の曇り空で朝日は望めそうにありません。

少し写真を撮って降りることにしました。



こちらは西側にある覆いの無いストーバです。東側のものより、修復度合いが良い感じです。

正面から見ると手の印の結び方が良くわかります。






印と言えば外壁にある432基の仏様の手の印の結び方が東西南北で違うそうです。
上のストーバ内の石仏は写真の右下の結び方ですが、外壁の石仏は東面が
左上、南面が右上、西面が左中、北面が右中の印の結び方をしているそうです。








確かめるために最下段を一周しました。それぞれ意味があるんですね。

写真は一つの例で南面の石仏です。説明の写真とあっていました。













7時にマノハラホテルに戻り、懐中電灯を返し、お土産のバティックのバンダナと食事券を受け取り、思い思いにカフェでコーヒーと軽食を取り解散です。
7時半頃にサラワスティホテルに向かいました。








写真はその途中に有った学校の門前で、駄菓子を物色する児童たちです。









サラスワティホテルに戻り、きちんとした朝食。ここはビュッフェではなく、前日オーダーしておくスタイルでした。ウエスタンかローカルの2種類から選び、卵の焼き方、パンの種類などを選んでおきます。








朝食後ホテルのプールサイドで少しゆっくりしました。小さなホテルですが、プールやその向こうに見えるあずまやでは、マッサージも受けられます。



庭園にはカメレオンも。






昨日空港から乗ったタクシーのドライバーに10時に迎えに来てもらい、ホテルを出発しました。

最初にホテルから5分程のところにあるパオン寺院に行きました。観光客は誰もいませんでした。ここで2寺院共通チケットを7,000ルピー(60円)で購入。









この寺院は側壁のレリーフが見ものです。










2つ目はムンドゥッ寺院です。












この寺院に安置されている大きな石仏三尊は、日本の仏教関係者から世界で最も美しい仏像の一つと言われているそうです。中央に如来像、右が観音菩薩、左が文殊菩薩です。









またこの寺院の外壁や内壁のレリーフもかなり見事なものです。
写真は入り口向かって左側にある鬼子母神です。









こちらは外壁右側の巨大なレリーフです。












これでボロブドゥール遺跡と周辺の寺院遺跡の見学は終了です。1時間10分でジョグジャカルタ市内での宿、メリア・プロサニホテルに到着です。タクシー料金は350,000ルピー〈2,975円)でした。

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