2017年6月17日土曜日

ジャワ島の世界遺産を訪ねて その3 - ソロ

つつじとチェト寺院
ボロブドゥール、プランバナンと訪ねてきて、次はジョグジャカルタから電車に乗って1時間ほどの内陸部にある古都ソロに行きました。美空ひばりが歌った「ブンガワンソロ」の舞台として、古い方ならご存知かも。ブンガワンソロとはソロの街はずれを流れるソロ川のことです。

前日プランバナンの帰りに、ホテルから近いルンブヤンガン駅でジョグジャカルタ(トゥグ駅)からソロ(ソロ・バラパン駅)までの切符を買っておきました。右端の窓口で駅員の女性が流暢な英語で切符の購入を手助けしてくださいました。因みにインドネシアでチケット売り場のことをLoketと言うようです。






ホテルの勧めで朝6時にタクシーでトゥグ駅へ。15分で到着。7時12分発なので小一時間駅で待つことに。そんなに早く出ることなかったかな。

写真のようにトゥグ駅は外部も構内も改築中です。






構内のRoti ’O’(クアラルンプールにも何店もある東南アジアではおなじみのパン屋さん)でパンとコーヒーを買って、ベンチで朝食。










ホームでは次の列車の乗務員に訓令をしていました。











こちらはジャワ島の鉄道網と主要駅です。拡大すると丁度中央にYogyakartaとかSolobalapanの駅名が見えます。










ホームに列車が入って来ました。
定刻に発車。この電車はジョグジャカルターソロ間を往復する電車で約1時間半間隔で1日11便ほど走っています。所要時間は1時間10分から20分位です。料金は一人片道8,000ルピー(86円)。安!!座席指定もないので別に前日買う必要は無かったみたいです。






車両のタイプはいくつかあって、ソロに行くときに乗った電車は、地下鉄タイプ(窓際に1列座席の有るタイプ)で帰りに乗ったのは、ボックスタイプの座席でした。

隣に座った若い男性は毎日この電車で、ソロに通勤しているそうです。日本に行ったことがあると嬉しそうに話しかけてきてくれました。





最初の停車駅は前日切符を買った駅、その次が空港前の駅(空港ターミナルまで歩いて行けます。)、その次が前日訪れたプランバナンの駅です。その後2つほどの駅にとまるとほどなくソロです。

ホームが低く、踏み台の無い出口から出るのは大変です。通路ではなく線路を横切って出口に向かいました。




駅前で早速タクシーの呼び込みが。私たちが回りたいルートを言うと700,000ルピー(5,950円)と言われました。どのくらいの距離か分からないので高く感じたので値切って600,000ルピー(5,100円)で折り合いました。 ルートは郊外のスクー寺院、そしてその奥のチェト寺院、それからソロ市内に戻って来てマンクヌガラン王宮、ランチ後ジャワ原人の発見された世界遺産のサンギランで博物館見学、そしてソロに戻りバティック通りで買い物後駅までの予定です。

街の中心部を抜けた辺りから、タクシーの調子がおかしい。信号に泊まるたびにエンストする。「おいおい!」と思っていたら路肩に駐車。「ヤバ!どうやって違うタクシーを捜すんだい。」と思っていたら、運ちゃんが「No Problem!」と言って、写真のようにボンネットを開けスパナでどこかをガンガンたたき始めました。
その内「OK」と言って車を出しました。寺院巡りの為、かなりの急坂を上ることを事前情報で持っていたので、目的地に着くまで心配でしたが、本当に大丈夫でした。何が悪かったのかな?

1時間20分程走った10時少し前に、最初の目的地スクー寺院に無事到着。途中は晴れていたのに結構登って来たこの辺りはすでに雲の中。
写真は寺院の入場券売り場(Loket)から登って来た方向を写したものです。








この寺院はラウ山と言う3,265mの山の南西の麓に建っています。標高はおそらく2,000m近いと思いました。
写真は入り口方面から本殿方向を見上げたところです。

入場料は一人25,000ルピー(210円)。因みにインドネシアの人は7,000ルピー(60円)です。
その他2人で10,000ルピー(85円)のお布施をするとサロン(腰に巻く布)を貸してもらえます。小さい方の写真がそのサロンで、小さくお寺の名前が書いてあります。






マヤのピラミッドに似た本殿を持つこの寺院は15世紀に建てられたそうです。











ヒンズー教の物語や動物などレリーフや石像が数多く立ち並んでいました。

こちらは何の場面かわかりませんが、かなりユニークな図柄です。このようなレリーフが数枚この前後に並んでいました。







こちらは数頭の動物の先頭を歩く象のレリーフです。










写真は正面から見た本殿のピラミッドです。

中央に大きな亀が3頭こちらを向いています。










こちらの写真は上の写真の左側を拡大したものです。
ピラミッド本体を除くすべての柱や壁には、このようなレリーフが彫られています。
奥に見える馬蹄形のものは子宮を表しています。







こちらがその部分を拡大したもので、2羽の鳥の様な動物で外周が造られ、中にも細かい彫刻が施されています。

















精霊崇拝なのか自然信仰なのか、写真のように男根を強調した石像やレリーフがかなりたくさんありました。

















これもそのうちの一つです。なんとなく愛嬌がありおおらかですね。











どのレリーフも石像もかなり面白いのですが、すべてご紹介できないのが残念です。











名残惜しいのですが、この日の旅程はタイトなので30分ほどでスクー寺院を後にしました。

写真はピラミッドの上から写したものです。









次に向かったのがチェト寺院です。一回山を少し降りてラウ山の北西の麓に向かいます。
写真はスクー寺院から少し下ったところの村です。日本なら差し詰め別荘地のようですが、すべて農家です。








我々の乗ったタクシーが勢いをつけてからではないと登れないような急坂が、次々に現れてきます。そんな山の中にも沢山の人が生活をしているのに驚かされます。

左の写真は斜面を利用した茶畑です。







山を埋めつくす茶畑が尽きると、次はねぎ畑が延々と続いています。











途中多くの女性がねぎを背負って歩いている姿に出くわしました。

ようやくちょっとした村に入り、道が無くなった先にチェト寺院がありました。こちらは2,000mより高いところにあるのではないでしょうか。

スクー寺院から25分ほどでした。



ここも先ほどのスクー寺院と同じ入場料金とお布施です。こちらも精霊信仰ですが、スクー寺院と同じくヒンズー教や仏教の影響を受けているようです。
こちらの人の方が格式が高く、ソロ精霊信仰の総本山だそうです。














入り口を上がっていくと、写真の様な門が幾重にも連なっているのが見えてきます。

通常こちらの寺院の方が、奥まったところにあるので観光客が少ないそうですが、時間の関係かこちらにはちらほら観光客が。







最初のゲートから振り返ると、門前町(?)の様子が見えます。何故か大勢の人がたむろしていました。










上の方から僧侶の方が参拝を終えて降りていらっしゃいました。



少し登っていくと、広場があって地面に写真の様なレリーフが置かれていました。
これも男女の性器を抽象的に描いたものです。










中央手前の三角な部分には色々な動物が描かれています。












上から振り返ってみると右の写真のようになります。

まだまだ本殿は上の方です。






本殿近くに祀ってありました。


















直線に並ぶゲートのシンメトリーが美しいですね。


50分程の滞在でした。お寺を降りたところのお店には村人がたむろし雑談に花を咲かせていました???















こんな高地にも学校がありました。丁度お昼の下校時間でした。











山を下りる途中のお茶畑で車を停めてもらいました。

茶畑と言い、ネギやその他の野菜が豊富に育っているのは、マレーシアのキャメロンハイランドと同じような高地特有の気候のせいなのでしょうね。






チェト寺院を出発して1時間10分程で、ソロ市内に戻ってきました。渋滞の中、次の目的地マンクヌガラン王宮に着いたのは午後1時半でした。観覧は2時まで。何とかセーフ。

一人20,000ルピー(170円)の入園料を支払うとガイドが付けられます。彼女も終了時間が気になっているし、私達も空腹が極限に達しているので、駆け足で王宮内を回りました。

写真はプンドポと言う大広間です。


こちらは装飾品を展示した部屋の窓を飾るステンドグラスです。

他にも謁見室や中庭などを見て回りました。
20分程で退館。ガイド嬢にチップ20,000ルピー。








王宮から1ブロック東にあるラーマヤナと言うローカルフードのレストランで遅めのランチ。






食べたのはサティーにフライドライス。ここのサティは今回食べた中で一番おいしかったように思います。

やっとお腹も落ち着いたので、次はサンギランです。
レストランを出たのが2時半。途中渋滞もありましたが40分程でジャワ原人博物館に到着です。
大きな原人の顔が迎えてくれます。ここも開館時間が午後4時までなので、ゆっくりできません。
入園料は一人10,000ルピー(85円)です。

園内はかなり広く、原人の生活模様のレプリカや、原人の骨のレプリカ、人類の発達の歴史を図解したパネル等多くの
展示物がありました。














こちらは大きなレプリカです。












こちらは原人から現代人までの体形と頭蓋骨の偏移です。











これは最新の情報を考察して復元したものの内もっとも新しいものです。

閉館時間の4時に退館。

一路ソロ駅へ。帰り電車は6時発なので予定していたバティック街には行けそうもないので、残念ながら諦めました。バティックはジョグジャカルタで探すことにしました。

50分程でソロ駅に到着。8時間のツアーでした。流石にドライバーはクタクタの様子。特に最後のサンギラン往復は渋滞もあり、疲れた様でした。結局100,000ルピー(850円)のチップをあげたので、最初に言われた700,000ルピーになってしまいましたが、価格に見合った旅程だと感じました。





時間が少しできたので構内でコーヒーを飲んでいたら、どうも今停車している電車がジョグジャカルタ行きらしい。既にすべてのお客が乗り込んでいるではありませんか。

慌てて車内へ。何とか2席並んだ空席を見つけ座ることが出来ました。あと少しゆっくりしていたら、座れなかったかも。

今度の電車は新しく派手派手。車内もボックス席でした。
定刻の6時に出た電車は7時20分にトゥグ駅着。長い1日でした。

この後の行動はジョグジャカルタ編でお伝えします。