2019年5月12日日曜日

ミャンマーに行ってきました‗4日目 バガン寺院巡り

シュエサンドー・パヤー@ニャウンウー
前回を公開した後、かなりの時間がたってしまいました。やっと時間が出来たので前回からの続きをレポートします。

バガンでの初日は電動バイクでホテルから簡単に回れる寺院を巡りました。これは「地球の歩き方」に紹介された「バガン寺院巡りモデルコース」のコースBを回るものでした。

バガン2日目となるこの日はタクシーをチャーターして、残りのコースAとコースCを回りました。

日の出の30分程前の5時45分に電動バイクで、昨日発見した「View Mound」へ向かいました。
これは日の出とともに上がる熱気球の群れを見るためです。

私たちも実際に熱気球に乗ることも考えたのですが、何と一人300USドル。2人で6万円以上かける価値はないだろうと判断してやめました。

この時間にバイクを運転するのは、Tシャツ一枚の私には耐えきれないほど寒いものでした。10分ほどで到着したので助かりましたが、丘に上がっても震えが止まらず、お土産を売りに来ていたおばさんからロンジー(こちらの方がスカートのように巻く布)を約700円で思わず買ってしまいました。それを肩から巻いて何とか寒さをしのぎました。(但しこれは3月初旬のことなので5月の今は雨期となり暑い日が続いていると思われます。)

丘の上はすでに団体バスを連ねてやってきた中国人の観光客でいっぱいでした。

空が明るくなってきましたが、生憎の曇り空。待てど暮らせど熱気球は上がってきません。なんとこの日は隣国のバングラディッシュに上陸したサイクロン(インド洋の台風)の影響で大気が不安定で熱気球は中止になったようでした。

他の観光客も引き上げ始めたので、私たちも諦めホテルへ。


ホテルで朝食。写真は朝食後部屋に戻る途中に写したホテルの敷地内の景観です。











9時に迎えに来たタクシーで寺院巡りに出発。

先ずコースAです。ホテルから南に下っていきます。Aコースはオールド・バガンとニュー・バガンの間にある寺院巡りです。

まず向かったのがバガン王朝最後の仏塔である「ミンガラー・ゼディ」(★★)です。1284年に建てられたのですが、バガン王朝はこの10年後にモンゴル軍によって滅ぼされたそうです。

ここも仏塔の上部は修復中でした。







次に訪れたのが「グービャウッヂー寺院」(★★)です。寺院の中は暗いのですが多くの壁画がきれいに残っていました。

残念ながら内部の撮影は禁止でした。








壁を挟んで隣に立つのが「ミゼッディ寺院」(★★)です。











この寺院にはユネスコ世界の記憶に登録された2つの石碑のうち一つが有ります。

どちらもこの寺院で発見されたのですが、もう一つはオールド・バガンの考古学博物館に展示されているそうです。

石碑の4面にはビルマ語、モン語、パーリ語、ピュー語が刻まれていますが、どれがどれか私たちにはわかりませんでした。

床には投げ入れられたお賽銭が散らばっていました。









こちらは「ミゼッディ寺院」から少し南に下ったところにある「マヌーハ寺院」(★★)の巨大な仏像です。

ここには3体の座像と1体の寝仏が有るのですが、どれも巨大で部屋の空間ギリギリに建てられていました。




ガイドブックによると近くで見ると怒っているように見えるのが、離れて行くとだんだん表情が和らぐとのことです。

そう言われれば、上の写真は怒っているようで、左の写真は穏やかな可ですね。

どれだけ大きいかは右の写真を見てください。妻の横は座像の指先です。。











隣にヒンズーの神の1つ「ブラフマー」を祀った「ナンパヤー寺院」が有るのですが雨の中を歩いていく気にもなれず、見学は断念しました。。

更に車で5分程下ったところにある「ナガーヨン寺院」(★★)へ。この辺りでは最も美しい外観の寺院だそうです。










ここの仏の立像の背後には大きな蛇が描かれていました。


コースAの最後のソーミンジー僧院はパス。















ニューバガンの町を通り抜け、町の南端の川辺に立つ黄金の寺院「ローカナンダー・パヤー」(★★)へ。

バガン王朝最盛期には航行の目印としても利用されたそうです。

今でも現役のパヤーでこの日も雨にも関わらず、たくさんの参拝客がお祈りをしていました。




写真は仏塔から降りて行く参道ですが、雨の中でもみんな裸足です。履物はこの坂を下りきったところに脱いでいきます。

バガンでは寺院の建物の入り口ではなく、敷地の入り口で履物を脱がなくてはいけない寺院が多く、雨が降ると足は泥んこになってしまいます。

なのでぼろきれかウェットティッシュは必需品です。


これでコースA周辺の寺院巡りは終了です。ここから進路を北東に取り、コースCを南からおとずれることにしました。

先ず途中で立ち寄った大きな寺院は、ニュー・バガンとコースCの起点のミン・ナン・トゥ村の中間にある「ダマヤッズィカ・パヤー」(★★★)です。

ここでも雨の中を裸足で参道を歩くことになりました。





3つ星に値する見ごたえのある仏塔でした。台座が3層の5角形になっていてほかには見られないデザインでした。

残念ながらここも仏塔上部は修復中で、折角の黄金の輝きも網の中に隠されてしまっていました。





コースCのミン・ナン・トゥ村で現地の人の生活を見て回るのは、時間の関係でパス。

コースCで最初に訪れたのは白い仏塔を中心にしたレイミャナー寺院群です。








外壁は上の写真のように白く塗られているのですが、第2次大戦中に戦火を逃れた住民たちがこの寺院の中で生活していたため、こちらの写真のように壁が黒くすすけています。









こちらは黄金の仏像です。

そのほかに僧院、集会所、図書館跡が周りに残っているのですが、内部には何もないので昔の姿は想像できませんでした。






レイミャナー寺院の向かいにある小さな仏塔群です。

階段を靴を履いたまま上ったら注意されてしまいました。このような小さな仏塔でもきちんとルールを守らないと。







この周りにも数多くの仏塔が立っていますが、多くは写真のように崩壊しています。







こちらはレイミャナーの北にある「タヨッピー寺院」(★)です。

ガイドブックではこの名前で紹介されていますが、現在では写真のようにこの寺院を建立した王の名前を冠して「ナラティアパティ寺院」となっていました。

「タヨッピー」はこの王のあだ名で「モンゴルから逃げた」と言う意味だそうです。



後期バガンスタイルの様式を代表する寺院です。

入口の彫刻が美しく残っていました。何となくアンコール遺跡群のバンテアイ・スレイの赤色砂岩の壁に彫刻されたものと似ている感じがしました。






この寺院の裏では丁度ヤギ飼いがヤギを放牧していました。

のどかな風景でした。

拡大すると分かるのですが右端のヤギ数頭が立って木の葉を食べていました。木にも登れるヤギの能力に感心しました。

こちらは向かいにある珍しい3連の仏塔を持つ「バヤートンズー寺院群」(★★★)です。壁画には大乗仏教やヒンズー教の神々も描かれています。









また右の仏塔の仏像は彩色されていません。壁画も描かれておらず、未完成のままでした。
完成前に放棄されたと推測されています。










その北にあるのがタンブラ寺院です。

暗殺された王の供養の為に建てられたそうです。

2017年か~2018年版の「地球の歩き方」では尖塔の有る写真が掲載されていましたが、最近の地震で写真のように尖塔が落ちて亡くなっています。

安全の為か現在は内部は見学できません。


更にその北側にあるのが小さな仏塔「ナンダマンニャ寺院」(★)です。

ここには「マーラの誘惑」と呼ばれる有名な壁画が有ります。撮影禁止なのでお見せできませんが、若い女性が瞑想中の仏陀を誘惑しているかのような絵でした。






これでコースCの寺院巡りは終了です。

コースC最後はバガン・ビューイング・タワーです。

有料で1人5usドルかかります。

そのためか観光客は余りいませんでした。

内部に入るとタマリンド茶のサービスが有りました。

エレベーターで11階へ。ここは窓ガラスの入った展望台。







階段でもう1階上に上がると、オープンな展望台です。1周するとバガンの全貌が見渡せます。

雨は上がったものの青空が無いため、景色は今一つでした。それでも数えきれないほどの仏塔が眼下に見渡せ、前日とこの日に訪れた寺院の確認をしたりしながら過ごしました。

展望を終えて車に戻ったら、周りに数人の人が集まっていました。何と私たちの乗っていたタクシーのエンジンがかからなくなってしまったとのこと。バッテリーは問題なくエンジンそのものの問題なので、修理する人を呼ばなくてはならないそうです。

1日チャーターなのにこの後どうするのか尋ねたら、心配するなとの返事。友達があなたたちを案内してくれるとのこと。

とりあえず、この後はランチだったので予定していたバガンで最もにぎやかな街で空港の名前にもなっているニャウンウーという街にあるレストランまでその友達の車で送ってもらいました。

ランチはガイドブックにも載っていた「Weather Spoon」というウェスタン料理のお店です。妻はこのレストランの名前を冠したハンバーガーを、私はカレーを注文しました。

ハンバーガーは写真のように特大で味もまずまずでした。






こちらは私の頼んだカレーです。3種類の味が楽しめました。

2つの料理と飲み物で14,100チャット(約1,000円)でした。








写真のようなお店で、お客は殆ど欧米系のバックパッカーでした。











丁度食べ終わったころ、何と元々のタクシーが迎えに来ました。車は簡単に直ったようです。

午後最初は黄金の仏塔を持つ「シュエズィーゴォン・パヤー」(★★★)です。この後訪れる「アーナンダ寺院」とともにバガンを代表する仏塔です。お昼を食べたレストランから車で5分程の所にありました。

先ずその規模と絢爛さに驚かされました。





「シュエ」は黄金、「ズィーゴォ」は勝利・栄光・祝福の土地と言う意味だそうです。

この仏塔には仏陀のあごの骨と歯が収められていると言われています。








写真の仏像に1,000チャット(約70円)払って金箔を貼ってきました。

水たまりに写ったパゴダの写真を撮っている人たちがたくさんいました。ここでも「インスタ映え」が優先されているようです。











次に「アーナンダ寺院」に向かう予定でしたが、「シュエズィーゴォン・パヤー」の近くにある「チャンスィッター屈院」に立ち寄りました。

内部は撮影禁止ですが、真っ暗なのでどっちみち写真は撮れなかったでしょう。

小さな窓から差し込む明かりを頼りに見る壁画のいくつかはモンゴル軍により上描きされていました。

寺院巡りの締めくくりはバガンを代表する「アーナンダ寺院」(★★★)です。


その大きさ(一辺63m、高さ50m)もさることながら、外観、収められている4体の仏像(立像)、それに3重に巡る回廊の壁に飾られた無数の仏像や仏陀の一生を表現した彫刻物語など、どれを取っても素晴らしいものでした。



ここも1975年の地震で被害を受けたそうですが今では完全に修復されていました。

但し4体の仏像のうち2体(南と北)はオリジナルですが、後の2体は火事で焼けたため作り直されたものだそうです。

写真は南の迦葉仏(Kassapa)です。













これがバガンで最も美しいと言われるシッタルーダ王子生誕の黄金のレリーフです。
こちらはマーヤーの右わきから生まれてくるところでしょうか。

このような絵物語が回廊全体に続いています。

時間が有れば番号順にすべて見て回りたいところでした。






こういったレリーフの反対側の壁にはこの写真のような小さい仏像が無数に並んでいます。











これでこの日の寺院巡りはすべて終了です。タクシー料金は40,000チャット(約2,800円)でした。

部屋で少し休憩した後、6時半に同じタクシーの迎えで夕食へ。

この夜はバガンで有名な操り人形(パペット)のショーが見られる「ナンダ」と言うレストランへ行きました。

ホテルに頼んで予約はしておいたのですが、前の方の席は団体客で満席でした。



食事は写真のようなバガン料理セットを注文。料金は2人で29,100チャット(約2,000円)でした。










ガイドブックに書いてあった開演時間の30分前に着いたのですがショーはすでに始まっていました。

どうやらガイドブックに掲載されている開演時間は変わっていて1回公演ではなく複数回やっているようです。私たちは18:45に始まったショーの後半部分と19:45から始まったショーの前半部分を見ることが出来ました。




パペットショーはかなりのものでした。人形を操る人たちの技の質は半端ではなく、相当熟練されたものでした。

通常パペットは人形だけが見えるのですが、ここでは何度か上の幕を上げて演じているさまが見えるようになります。

単独で演じたり数人で演じたり、人形を回転させるとき自分もぐるぐる回転したり、かなり派手な演出もあり満足のいくショーでした。


20時に迎えのタクシーでホテルへ戻りました。夕食の送り迎えは15,000チャット(約1,000円)でした。タクシー料金が食事代の約半分。食事が安いのか、タクシーが高いのか?

次回はインレー湖の初日の様子をお伝えします。